『反応しない練習』という書籍を読んだ感想を紹介いたします。
「ブッダ」という言葉によって宗教的なニュアンスを感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、布教的な内容では全くありませんでした。
日常の悩みや苦しみをポジティブな考え方や行動に向けてくれるような内容です。
ブッダが言った人間の生涯の八つの苦しみ
「毎日が幸せ」と感じて生きている人は、少ないのではないでしょうか?
ブッダは、人間には生涯に渡って「八つの苦しみ」があると言ったそうです。
八つの苦しみ
- 1.生きること
- 2.老いること
- 3.病にかかること
- 4.死
- 5.煩わしいものと出会うこと
- 6.愛する人と別れなければならないこと
- 7.求めることを得られないこと
- 8.ままならない人間の心
生きることも死ぬことも苦しみであるならば、もはや人生「デフォルトは地獄」と言ってもいいのではないでしょうか?
ただ、生きること自体が苦しみだと日常的には認識しておくことは、ある種の苦しみの保険とも捉えられるかもしれません。
私なりに八つの苦しみ(言い換えると「デフォルト地獄の人生」)を和らげる方法をまとめると、以下のようになるのかと感じました。
- ・できる限り健康に生きる
- ・できる限り人間関係を良好にたもつ
- ・できる限り人やモノに求めすぎない
ブッダの悩み、問題の解決の基本
全ての悩みや苦しみの正体は「心の反応」であり、具体的には日々の生活の中での次のような反応のこと。
- ・嫌なことがあって腹を立てる
- ・うまくいかなくて焦る
- ・不安になる
- ・悲しくなる
それらの心の反応によって、以下のような失敗や後悔を経験した方も多いのではないでしょうか?
- ・怒りをぶつけて人間関係を壊してしまう
- ・大事な場面で緊張して失敗する
- ・忌まわしい過去を思い出して、その時ああしていればと後悔してしまう
- ・考えすぎて落ち込んでしまう
改めて考えてみると、それらは他者に反応することをきっかけに感情や行動を乱していることに気づきます。
そして、これを解決するには原因である「ムダな反応をしない」ことだけであり、そのために「反応しない練習」が必要ということになる。
判断は妄想
「反応しない練習」の一つとして「判断もしない」ということもあげられる。
何かに対して「良い、悪い」「好き、嫌い」のように「判断すること」も反応であり、問題を招くきっかけになってしまう。
どうせ他人は変えられない。であるならば、できる限り「中道」の立場を保って生きていきたい。
本当に大切なものや譲れないものなんて、この世にはほとんどないのだから。
なぜ私たちは判断するのか?
それは、判断すること自体が人にとって気持ち良いことが理由になっている。
「私が正しいのだ」という承認欲を満たすことにつながっている。
判断は、頭の中にしかない妄想で、反応しないことが「最高の勝利」なのである。
最後に印象的な言葉を以下に引用いたします。
もし罵る者に罵りを、怒る者に怒りを、言い争う者に言い争いを返したならば、その人は相手からの食事を受け取り、同じものを食べたことになる。
わたしはあなたが差し出すものを受け取らない。あなたの言葉は、あなただけのものになる。そのまま持って帰るがよい。
罵倒するバラモンとの対峙 サンユッタ・ニカーヤ
人間関係や感情、ストレスについての見方を変えるきっかけに、ぜひ『反応しない練習』を読んでみてください。